心内膜炎

心内膜炎と口腔の関係

身体を守る防御の最前線は壁となって体内・対外を仕切っている上皮です。
歯周病では歯周ポケットの中の上皮が、炎症でボロボロになって壁の役割を果たせなくなり
組織から出血・排膿が起こるため、細菌が組織内に簡単にはいれるようになっています。

また、根尖性歯周炎では、エナメル質や象牙質という壁がなくなって根尖組織に病原体が入り込み
細菌が血液中に入りやすい状態になっています。

血液中に細菌が入り込むことを「菌血症」といいます。
組織に入った細菌の一部は血液中に入り一過性の菌血症を起こしますが、多くの場合
免疫により排除されるため細菌はいなくなります。

しかし、それをすり抜けて細菌が生き延び、ほかの部位で増殖する場合があります。
この生き延びた細菌が血流に乗って移動し、心臓の内側に付着し、増殖するのが「心内膜炎」です。

健康な人では起こる可能性は低いですが、人工弁を入れている人は血流に滞るところができ、
細菌が付着する可能性があり、リスクが高くなります。