歯周病

歯周病とは

歯周病とは
よく見聞きする「歯周病」という言葉。
どんなものかご存知でしょうか?
 
歯周病は、細菌の感染が原因で起きる炎症によって、歯茎や歯を支える骨が溶けてしまう病気です。
 
歯についた「プラーク(歯垢)」が歯周病の原因。
歯周病の予防・進行を止めるためにはプラークの除去が不可欠です。
 
プラークの除去は患者さんが自分で行う「セルフケア」と、歯医者で行う「プロフェッショナルケア」の双方で行います。
しかし歯と歯茎の間のポケットまで改善するのは難しく、歯周病の進行状況によっては外科手術が必要な場合もあるので慎重な診断が欠かせません。

口臭の原因にもなります

マスクをする機会が多い現代、自分の口臭が気になる……という方もいるのでは?
その口臭の原因は、歯周病の可能性があります。
 
口臭の原因は、口内の環境の問題がほとんど。
なかでも歯周病の匂いは「歯周ポケットに溜まった菌の腐敗」「歯茎からの出血による血液臭」があります。
 
また歯茎に膿が溜まる場合があり、それが強い臭いになることも……。
膿が溜まってしまうとセルフケアでは対処が難しいため、歯医者で処置を行いましょう。
 
ただし、口臭の原因は歯周病だけではありません。
口内だけではなく、胃や全身疾患からくる臭いの場合もあるのです。
まずは口臭の原因を見つけるために、歯医者への受診をおすすめしています。

歯周病の感染

歯周病は、感染する病気です。
同じ箸を使ったり、ドリンクを共有したりという口を介する行為は、歯周病の感染原因となります。
 
歯周病をお持ちの方は、家族や知人に感染しないよう細心の注意が必要です。
また感染させないためにも、早めに治療を行うようにしましょう。

歯周病の進行

歯周病は進行状況によって症状が異なります。
症状を理解して、適切なケアや治療を行いましょう。

歯肉炎

歯肉にプラーク(歯垢)が発生し、プラーク内に細菌が溜まります。
これにより炎症が起き歯肉が腫れ、歯と歯茎の境目にある溝「歯周ポケット」が広がってしまいます。

軽度歯周炎

歯周ポケットが深くなってしまい、歯垢や歯石が溜まります。
歯肉が腫れるだけではなく歯周病菌が歯周組織に入ってしまい、歯根膜を壊しはじめます。

中等度歯周炎

中等度になると歯がぐらつきを感じる方が増えます。
歯周ポケットはさらに深くなり、歯を支える骨も歯の根の長さの半分ほどまで破壊されてしまいます。

重等歯周炎

歯を支える骨が半分以上破壊され、歯が明らかにぐらつきます。
それに伴い咬み合わせが崩れてしまい、固いものが食べづらいと感じる方も。

歯の脱落

歯周病が悪化すると、歯を支える骨が溶けてなくなります。
そのため最終的には歯が抜けてしまいます。

歯周病が引き起こす全身疾患

歯周病は口内の病気だけではなく、思わぬ全身疾患を引き起こす可能性があります。
放置していると命に関わる病気を招きかねないので、注意しましょう。

糖尿病

歯周ポケットに潜む細菌が血管に入り込んでしまうと、インスリンの働きを鈍らせることがわかっています。
インスリンは血糖をコントロールしているため、食後の血糖値が過剰に上昇したり、すでに糖尿病に罹患している方の病状を悪化させたりする危険性があります。
 
歯周病の改善によって糖尿病が改善することもあるため、一度歯周病治療をご検討ください。

動脈硬化・心臓疾患・脳梗塞

歯周ポケットの細菌が血管に入り込むと、血液の通り道が狭くなる動脈硬化の原因にもなりかねません。
同様に血管が原因となる狭心症や心筋梗塞などの心臓疾患、脳の血管が詰まった状態の脳梗塞などは、歯周病と深い関係性があると考えられています。

誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)

食べたものを咀嚼した時に、歯周ポケットの細菌や細菌が入った唾液を飲み込んでしまうことがあります。
それによって起きるのが「誤嚥(ごえん)性肺炎」です。
正しく飲み込みにくくなる高齢者に多く発症しやすく、死亡原因にもなりかねない肺炎のため、年齢を重ねてからも歯周病の検診は欠かさないようにしましょう。

治療後について

治療後について
歯周病治療は、歯肉を健康な状態に戻す処置です。
 
具体的には歯石や歯垢を除去し、歯周ポケットを4mm以内まで戻すことがゴールと考えております。
4mm以内でも炎症がない場合もありますが、歯周病が発病しやすい環境であることに違いはありません。
 
また歯周病治療を終えても、再発の可能性もあります。
定期的に来院いただき、歯周病が起きていないかの確認や再発防止の手立てを取ることが重要です。